晴れの日の食べ物
現在のような餅は平安時代からで、古くは「もちひ(餅飯のつまったもの)」といい、晴れの日の食べ物として扱われ、祝いごとはもちろんのこと、神仏の供え物としては欠かせません。行事として餅をつくようになったのは、正月以外では3月3日の桃の節句、雛祭り(草餅・菱餅)と5月5日の端午の節句、こどもの日(柏餅)で、雑穀類を混ぜた餅をつくりました。また正月用の餅は「歯固め」とも呼ばれ、歯にこたえるものを食べて年齢をひとつとったことをかみしめる祝いごととしました。餅にはいろいろな形があります。関東では、つきたての餅を平たく伸ばした伸し餅を切って用いますが、関西では、小さく丸めた小餅を床の間に二段重ねにした鏡餅を切って用います。そのほかにも、海鼠のように伸ばした「海鼠餅」、菱形にした「菱餅」があります。年中つくられる餅で、一番おいしいのは「寒餅」と呼ばれる1月末頃の最も寒いときにつくられるもので、黴や腐敗が少なく温度が低いので、餅がよくしまってきめが細かいのが特徴です。このことを利用してつくられるのが「掻き餅」です。
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