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子どもの健やかな成長を祈る

内裏雛の飾り方は、関東では、雛壇に向かって左が男雛で右が女雛ですが、関西とくに京都では関東と左右反対です。これは古くから御所を中心に考えられており、内裏様から見て左右が決められています。向かって右に左大臣(老人)、左に右大臣(若人)が飾られ、有名な左近の桜は右に、右近の橘は左に見えるわけです。現在は関東風の並べ方が一般的になっているようですが、これは昭和天皇即位の際に、天皇陛下が向かって左、皇后陛下が向かって右に並ばれたことから始まったようです。段飾りでは内裏様の下の段に三人官女(宮廷の女官)、向かって右から長柄銚子・三方・加銚子を持った順に飾ります。その下は五人囃ですが、これも右から謡い・笛・小鼓・大皮鼓・太鼓の順に並びます。お雛様は早くしまわないと婚期が遅れるという話がありますが、あくまでも迷信であり気にすることはありませんが、節句という季節の節目の意味からも、遅くとも3月中旬までには片付けます。片付けは家族一緒にすることで、子どもに物を大切に扱う心を伝えられます。人形と道具の埃や汚れを毛ばたきや乾燥した布できれいに払い、顔の部分はやわらかい布や紙(印刷された紙は除く)で被い、直接ぶつかり合わないようにします。雛人形は嫁入り道具であったため、母方の実家から贈る習慣がありましたが、現在ではそれにこだわることなく、かわいい子どものために両家で話し合い、お祝いを合わせて購入することが多くなりました。子どもの健やかな成長を祈って、多くの人が集い、お祝いするという日本の素晴らしい文化です。

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