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大晦日に蕎麦を食べる理由

年越し蕎麦の風習は江戸中期からです。『蕎麦史考』によれば、鎌倉時代に中国から博多にきていた貿易商謝国明が、年の瀬に貧しい人たちに「蕎麦挽き餅」をふるまったら運が向いたのをきっかけに始まったようです。「蕎麦は細くて長いので寿命や身長が伸びる」「金箔を延ばす台を蕎麦粉でぬぐうとよく延びるので金運がよくなる」「蕎麦は新陳代謝をよくし体内を清浄にする」などの理由で大晦日に食べて新年を迎えるともいわれています。蕎麦は中国雲南省が発祥地といわれ、日本も奈良時代にはすでに栽培されていたようです。初めは粒のまま、あわ・ひえ・きびなどにまぜて雑炊にしていましたが、時代が進み、粉食されるようになると「蕎麦掻き」「蕎麦餅」にして食べ、、蕎麦切りして麺の状態で食べるようになったのは江戸時代初期のことです。その頃は味噌のつけ汁でしたが、江戸中期以降に、蕎麦つゆが登場しました。幕末には江戸に3760余店の蕎麦屋があり、品書きには「掛け蕎麦、天麩羅蕎麦、花巻(浅草海苔をあぶって揉んでのせたもの)、卓袱、玉子綴じ蕎麦、鴨南蛮蕎麦、盛り蕎麦」というように今と同じ品目が並んでいます。年越し蕎麦の食べ方は地方で違うのですが、東京では盛り蕎麦が主流で、蕎麦を汁にちょっとつけて勢いよくすするのが粋です。

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